知行(ちぎょう)とは、
日本の
中世・
近世において、
領主が行使した所領支配権を意味する歴史概念。
平安時代から「知行」の語が使用され始め、以降、各時代ごとに「知行」の意味する範囲は微妙に変化していった。日本の歴史上の領主は
ヨーロッパの
農奴制における領主のように無制限に
所領の土地と人民を
私有財産として所有したのではなく、徴税権・支配権にかかわる一定の権利義務の体系を所持した存在であった。この体系が知行であり、日本史における領主階層のあり方を理解する上で、知行の概念の理解は欠かせない。