民族(みんぞく)とは一定の
文化的特徴を基準として他と区別される
共同体をいう。土地、血縁関係、
言語の共有(
母語)や、
宗教、伝承、社会組織などがその基準となるが、普遍的な客観的基準を設けても概念内容と一致しない場合が多いことから、むしろある民族概念への帰属意識という主観的基準が客観的基準であるとされることもある。また、
日本語の民族の語には、
近代国民
国家の成立と密接な関係を有する政治的共同体の色の濃い
nationの概念と、政治的共同体の形成や、集合的な主体をなしているという意識の有無とはかかわりなく、同一の文化習俗を有する集団として認識される
ethnic group(
ジュリアン・ハクスリーが考案)の概念の双方が十分区別されずに共存しているため、その使用においては一定の注意を要する。