律令制(りつりょうせい)は、
律令に基づく制度のこと。主に古代
東アジアで見られた
中央集権的な統治制度であるといわれることもあるが、唐制に倣った体系的法典を編纂・施行したことが実証されるのは日本だけである。日本では律令制または
律令体制や
律令国家と呼ばれるが、中国にはこのような呼称は存在しない。中国において「律令」という言葉は
秦から
明まで長期にわたって使われており、その間にその内容や位置づけは大きな変遷をみている。そのため、日本の律令制の直接的モデルとなった
隋や
唐の国家体制をもって「律令制」と定義することは、中国の律令の変遷の実情を無視することとなり、秦から明までの1800年間(律のみ存在した
清も加えれば2100年間)の制度を一括りにすることにはあまり意味がないとする考えもある。