十字架(じゅうじか)は
イエス・キリストが
磔刑に処されたときの
刑具と伝えられ、主要な
キリスト教教派が、最も重要な
宗教的象徴とするもの。イエスの十字架を象り、立体のものを作ったり画布や板に描いたものを崇敬の対象とする。日本語では立体のものを十字架と呼び、二次元のものは
十字と呼ぶことが多い。古くは、ポルトガル語の「Cruz(クロウズ)」を模して「久留子(くるす)」とも言った。十字はまた祈祷の一部として手で自分の胸に画いたり、相手の頭上に画いたりする。 旧約において磔刑に処されたものは「呪われる」とあり、またローマでは十字架への磔刑は「国家反逆罪」への罰であった。このような「呪い」と「貶め」をキリストが甘受したことのうちに、キリスト教ではイエスの謙りとそれによってのみ贖われえた人類の罪の深さ、さらにそれを解消したイエスの神性の力強さを見ている。